「富士日記を読む」を読む、臨時の会議連続、中国旅行延期

 猛威を振るう中国の新型肺炎。3月初めに兄たちと行く予定の中国・泉州旅行も延期になった。しかたがない。

 2月1日(土)午後は、とくしま健康サポートの臨時社員総会、3日(月)夜はきのこハウスの臨時理事会があった。年度末を控えてどこも課題が多く、大変なようだ。

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   「富士日記を読む」(中公文庫)を読んだ。著者武田百合子(1925年~1993年)は作家・武田泰淳(1912年~1976年)の連れ合いである。武田泰淳は東京の浄土宗の寺の生まれで、東京大学支那文学科を中退している。学生時代、左翼運動に加わり逮捕されている。

 私は、もう50年ほど前に大学の卒業論文のテーマに「日本文学と中国文学ー『武田泰淳と中国』ー」と題して、武田泰淳を取り上げた。武田は中国の古典などに依拠した小説も書いたりしていたが、中国でも生活し、一兵卒として中国人と戦った。中国と中国文学を愛する彼としては、日中戦争は大変矛盾した戦いであったことが、彼の文章からは理解された。「心身快楽」(しんじんけらく 講談社文芸文庫)には、泰淳の中国にかかわる文章が書かれいる。

 「心身快楽」の末では「武田泰淳小伝」と題して川西政明が解説を書いており、「心身快楽」の意味についても触れている。川西は、「武田泰淳伝」(2005年 講談社)と題した本で、詳細に泰淳を紹介している。戒名は「恭蓮社謙誉上人泰淳和尚位」。京都の知恩院には泰淳・百合子の比翼塚があるそうだ。京都に行く機会があったら立ち寄ってみたい。

 武田百合子は、泰淳の取材旅行に同行したり、口述筆記をしたりした。それは泰淳の「めまいのする散歩」(中公文庫)でもうかがわれる。百合子は、泰淳と過ごした富士山ろくの別荘での13年間を「富士日記」と題して出版した。読んだ皆さん、そのユニークさと面白さに脱帽である。作家の小川洋子は、「『富士日記』では、小さな虫も、一人の人間も、存在の根源が平等に扱われる。やがて百合子さんは、虫を安らかに眠らせたその同じ瞳で、最愛の人が去ってゆくのを見送ることになる。」と書いている。

 富士日記は、以前から気になっていた本ではあるが、とにかく全3冊が厚い。根気のない私には、負担が大きいと感じていた。ところが、 「富士日記を読む」に登場した書き手はどこから読んでもよいという。そこで、購入しようと思った。1日(土)午後のとくしま健康サポートの臨時社員総会の後、ブックオフに立ち寄ったら、うまい具合に「富士日記」全3冊がそろってあった。値段も1,500円ほどでまっさらであった。購入したが、さていつ読もうか。

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良寛歌集(東洋文庫556 平凡社

466 萩が花今盛りなりひさかたの雨は降るとも散らまくはゆめ

467 秋萩の花のさかりも過ぎにけり契りしこともまだ遂げなくに

468 秋風に散りみだれたる萩の花払はば惜しきものにぞありける

469 たまほこの道まどふまでに秋萩は散りにけるかも行く人なしに

470 いそのかみふる川のべの萩の花今宵の雨にうつろひぬべし