「東京の下町」(吉村昭)、「婦人家庭百科事典」

 安倍首相の「国葬」に多くの方が反対してるが、私も反対。国葬という制度がないのに、無理やり岸田総理は押し切ろうとしている。そこで、古い辞書で国葬を調べてみた。
 「婦人家庭百科事典・上」(三省堂百科辞書編集部*編 ちくま学芸文庫2005年2月10日)は、「三省堂辞典三部作の一つと謳われ、昭和12年(1937年)に刊行された戦前の代表的な家庭百科事典」と説明がある。そこでは「国葬」について、「国家の費用をもって行ふ葬儀。天皇・皇后・皇太后・皇太子・皇太孫に対して行ふほか、国家に偉大な勲功のあった人に対しても国葬の礼を賜はることがある。」と記されている。一方、戦前よく使われていた国語辞書の一つの「言海」(初版は明治22年、本書は2004年4月7日にちくま学芸文庫の一冊として、昭和6年版が復刻されて出版された。)には、どうしてか国葬という文字は掲載されていない。戦前の基準にあわせても、国家・国民に多大な損害を与えた安倍元首相は該当しない。
 「東京の下町」(吉村昭 文春文庫1989年1月)は、オール読物に1983年9月号から1985年2月号まで連載されていた。22年も前に買った本を引っ張り出してきて読んだ。古い方ならご存じだと思うが、「戦艦武蔵」「関東大震災」「長英逃亡」などの小説を書いている。私が今までに読んだのは、「冬の鷹」「虱と爆弾」「ふぉんしいぼるとの娘」「青い骨」「神々の沈黙」「消えた鼓動」「花渡る海」「白い航跡」であるが、丹念に資料を調べて書く作家だというに認識だ。しかし、この「東京の下町」は彼が生まれ育った下町(それも戦前)の様子が、きちんと描かれている。著者と私は19歳も年が離れ、下町(日暮里・浅草など)と山手(東京・大田区馬込)と住んだところも違うが、戦災にあったとはいえ作者が描いた風景を私も少しは体験したので、懐かしく感じた。 
 17日(水)は陽光学院の中国語があった。コロナの影響でZoomでしたのだが、少し準備不足であった。昨日の徳島の感染者数は2,213人で過去最多の1.5倍を超えた。お盆休みと阿波踊り、これが大きく影響している。
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「埋み火」富士茂子(編者:柏原千恵子 1984.4.17)
  鉄の輪(和歌山刑務所へ)
〇くくらねば逃げるいでたちこの身体巻きゆくときの捕縄の早さ
〇観念のまなこ閉じいて待つ捕縄黙す涙がうちにはやりぬ
〇何となく人眼はばかる船室の一夜寝させぬ堅き鉄の輪
〇丸窓が白めば未知へ近づける不安あれども船にも居たたまれぬ
〇就寝を給う心がずり込みて起きられぬ不安さきだちて寝ず
〇幻影に眼をおおいたし夫死闘のたぎる生命のあの断末魔
〇間違いを伝える程度の人間で生きてゆきたしどんなときでも
〇母の座で子に何せしやよおその母に竝べ見ていて恥のみ多し
〇しなびたる後に朽木が音もなく倒れるさまが病がこわし
〇かすみ引く未知の街々子がたとえ遠くいるとももはや浮かばず