「俺の上には空がある 広い空が」から“カッちん”を想う

 4月17日、桜井さんが出版した「俺の上には空がある 広い空が」の出版記念集会が水戸であった。最近YouTubeにアップされた集会の模様を見ると、多くの関係者が参加したようだ。桜井さんも忌憚なく今の想いを語り、歌も熱唱し、素晴らしい内容だったようだ。うれしい限りだ。昨晩、ようやく娘から送られてきた「俺の上には空がある 広い空が」を読み終えた。本の124頁から「2,600通の手紙」と題して“カッちん”(高橋勝子)のことについて書いている。彼女は桜井さんが千葉刑務所にいた18年間に、2,600通もの手紙を書いて送っている。また、毎月激励のため刑務所に行って桜井さんを激励している。その行動力と粘り強さに脱帽。

 私がカッチンを知ったのは1970年3月のことだった。私の小・中学校時代の友人が「かりがね」というガリ版刷りの同人誌を始めていて、私も参加した。どういう理由、きっかけか知らないが、カッちんも会員になっていた。会員も少なく手書きのガリ版刷りの雑誌なので大変読みづらい。会社の一室を借りたり、会員の家で編集会議をしたり印刷をした。雑誌の制作だけでなく映画鑑賞(橋のない川、沖縄など)・小旅行(山中湖・鴻巣・伊豆)などもした。カッちんのアパートでも編集会議をした。カッちんは映画「沖縄」を見て「ハンカチグシャグシャ、カッちんの目にも涙。」と書いた。福々しいスタイル・顔つきで何事にも頓着しない、それでいて正邪の判別には厳しい女性であった。徳島に私が居を移してからはほとんど会うこともなく、年賀状での交遊になっている。「かりがね」は同人誌なので、カッちんも投稿している。1969年12月発行の第11号に書いた、「無実の人 村上国治のいる網走へ」という一文である。国治が白鳥事件で逮捕され、「はじめの300日間、昼も夜も休みなしに国治をせめ、転向を強要した。」。今も警察・検察は同じことを繰り返している。桜井さんをはじめ多くのえん罪被害者、弁護士、文化人たちが再審法の改正を求めて運動しているのは当然である。

 カッちんは当時、国民救援会東京都本部に勤務していた。かりがねでの自己紹介で「安月給で忙しい職場“でも大変大事な仕事”で女の細腕もなんのその男性をきりまわして、暑さ知らず」と自らを語っている。私が今、守大助さんを支援する徳島の会の一員として活動しているのも、そんなカッちんの影響からである。

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  前回の投稿に桜井恵子さんがコメントを寄せてくれた。次に咲く時は見逃さないでということだった。一昨晩「十三夜美人」が一輪咲いたのでアップする。風が強かったのでピントが定まらない。直径10センチある。大輪柱・夜の女王も今晩か明晩咲きそうなので気をつけよう。

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良寛歌集(東洋文庫556 平凡社) 

996 うかうかとうき世をわたる身にしあればよしや言ふとも人はうきゆめ

997 この世さへうからうからとわたる身は来ぬ世のことを何思ふらむ

998 おもかげの夢にうつろふかとすればさながら人の世にこそありけれ

999 ゆめに夢を説くとは誰が言(こと)ならむさめたる人のありぬらばこそ

1000 形見とて何かのこさむ春は花山ほととぎす秋はもみぢ葉