「中国漢詩紀行③:李白・杜甫・蘇東坡」(漢詩のふるさとを訪ねて)

 国際交流サービスから、中国旅行で撮影した集団写真と実施した日程表が送られてきた。私は、メモもきちんと取っていなかったので助かる。書いた内容には記憶間違いもあるかもしれない。

 3日目(4/15)はホテルを8時前に出発して、高速道路で江油にある「李白故居」に行った。李白故居の中に入ると多くの小学生が来ていた。当時の服装(漢服か)に着替えて何やらする雰囲気であった。添乗員の辻田さんは学生のころから中国語を学んでおり、中国に多くいく旅行社に勤務していたので、大変堪能。付き添いの教師と何やら話をしている。故居の敷地内で小学生の前で詩吟をし、小学生も李白の詩を歌うということになった。

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 もちろん先に中国語で歌わないと、小学生の皆さんたちには何の詩か分からない。観光客の皆さんもどうなるか興味津々のようであった。歌ったのは李白の絶句「峨眉山月歌」と「早発白帝城」。詩吟好きの皆さんは朗々と朗詠。大きな拍手をいただいた。詩吟歴が50年余りもある名人たち(全国大会で優勝した人もいるし、何人も弟子がいて教えている人もいる)だけのことはある。私は今まであまり上手な人の詩吟を聞いたことがなかったので、聞くのは少し腰が引けていたが、皆さん中国まで来て吟詠するだけのことはあると納得した。

 小学生たちは3年生で公立の学校ではなく、四川省錦陽市の私立東辰国際学校。読誦してくれたのは李白の「将進酒」。小学生に酒の詩というのは、いささか疑問であったが「詩仙」と呼ばれた李白の前で歌うにはふさわしいか。28行もある長い詩をよどみなく読誦したのには驚いた。孫のような子どもたちと思いがけない日中交流。この学校の年間授業料は50万円ほどもするという。中国では貴族学校と言われているらしい。それだけ中国の経済力が向上し、貧富の差も大きくなったということか。

 せっかくだから、大学時代に学んだ松浦友久先生の「李白詩選」(岩波文庫 1997年)に掲載されている「早発白帝城」を紹介しよう。

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 昼食は江油市のレストラン「清蓮山荘」、おいしかったですね。食事後は「三星堆博物館」へ。去年の旅行と同じく博物館見学が入っているのが、並みの中国旅行と違って価値があるところ。三星堆遺跡は今から5,000年ほど前から3,000年ほど前の遺跡。日本はまだ縄文式時代のころである。成都市から30キロほど離れたところにある。成都がその時代から中国文化の中心地であったことが理解される。ここでも辻田さんは粋な計らいを見せてくれた。予定にはない「三星堆遺跡」を見に連れて行ってくれた。実際に再現された発掘現場を見ることができた。感謝!!

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 昨日の杜甫故居に行くときもそうだが、今回の旅行のために作成した50pにも上る資料を説明し、中国語の発音の仕方を教えてくれて、資料にある杜甫李白の詩の解説をし、中国語で発音してくれるのだ。

 泊りは「銀河王朝大酒店」。2次会にもお付き合いした。

 

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良寛詩集(東洋文庫556 平凡社

153 山吹の花のさかりにわが来れば蛙なくなりこの川のべに

154 春と秋いづれ恋ひぬとあらねどもかはづ鳴くころ山吹の花

155 を山田の門田の田居になくかはづ声なつかしきこのゆふべかも

156 草の庵(いほ)に足さしのべて小山田の山田のかはづ聞くがたのしさ

157 草のいほに足さしのべてを山田のかはづ声を聞かくしよしも