●B型肝炎訴訟は全国B型肝炎訴訟弁護団にご相談を!

 昨日(4月26日)最高裁判所で素晴らしい判決があった。それは、学校などで行われていた集団予防接種で、注射器の使いまわしによりB型肝炎ウイルスに感染した患者の、救済の障害となっていた「除斥」の問題に、大きな一歩を印した判決であった。民法第724条二項には、下記の通り記されており、これによって多くのB型肝炎感染者の救済が妨げられていた。

不法行為による損害賠償請求権の消滅時効

第724条
不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 被害者又はその法定代理人損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。
不法行為の時から二十年間行使しないとき

 国により接種が義務付けられていた予防接種により、B型肝炎ウイルスに感染した人が50万人もいると推定されてきた。しかし国は発症から「20年」を経過した被害者に、十分な補償を認めてこなかった。この「20年」問題はB型肝炎だけでなく、多くの事件・被害にとって大きな障害となってきていた。その垣根が取り払われたのだ。今後、別の事件・被害にも適用されることを願いたい。徳島新聞では今朝の新聞に3頁にわたり報道していた。その一部の記事を、以下に紹介する。

f:id:tetuo0208:20210427103922j:plain

 ここにたどり着くまでは長かった。最初は1989年6月、B型肝炎のキャリアと慢性肝炎患者5人が、国を相手取って損害賠償を求める訴訟を札幌地裁に起こしたところから始まった。2006年6月、最高裁は原告全面勝利の判決を言い渡し、5人の患者の請求が認められた。

 しかし、救済されたのはこの5人だけで、圧倒的多くの被害者は救済されなかった。そこで2008年3月に、再び札幌を皮切りに他の感染被害者が国を相手取って全国の地裁に集団訴訟を起こした。私もこの集団訴訟に2010年10月に加わった。この訴訟は多くの原告団弁護団と支援者の運動で、2011年6月28日にようやく国との和解が成立した。首相官邸で和解の基本合意の調印ができ、私もその場に立ち会った。しかし、ここで残された大きな問題が「20年の除斥」であった。

 基本合意の調印ができて9年10か月が過ぎていた。最初の札幌地裁の提訴から換算すると、31年10か月が経過した。声を上げないといつまでたっても何も解決できないこの事態、国の頭も政治家の頭も役人の頭も変えなけらばならないと、大いに考えさせられた。

●仙台北陵クリニックえん罪事件の守大助さんをご支援ください!

B型肝炎訴訟は全国B型肝炎訴訟弁護団にご相談を!

良寛歌集(東洋文庫556 平凡社)

966 今二日三日もたちなばさすたけの君がみ足もよくなほらまし

967 くすりしのいふもきかずにかへらくの道は岩みち足のいたまむ

968 こよひあひ明日は山路をへだてなばひとりや住まむもとの庵に

969 あしひきの岩松が根にうたげして語りし折をいつか忘れむ

970 間瀬の浦のあまのかるものよりよりに君も訪ひ来よ我も待ちなむ