国民救援会徳島県本部第46回大会

 昨日(17日)は徳島市で「国民救援会徳島県本部第46回大会があったので、連れ合いと参加した。雨の寒い中50名近くの会員が会場に集まった。皆さん、会場に入る前に手の消毒・検温をした。会場は窓・ドアが開けられ寒かった。連れ合いは議長を努めた。議案書の北陵クリニック事件の部分は、大助の会の川上事務局長が書いて会の活動報告をした。

 私は、守大助の会を代表してあいさつを行った。

 大会では、「『再審法』の改正を求める要請決議」が採択された。

 大会の記念講演は、「なぜ今、再審法改正か?」と題して弁護士の上地大三郎さんが話しをした。日本弁護士会のえん罪事件にかかわる委員会に属していて、えん罪事件をよく理解している。上地さんが実際に関わったえん罪事件東京電力女性社員殺害事件、東住吉事件などについても触れて、えん罪の非道さを話された。日本弁護士会は数十年前までは個別えん罪事件の解決・勝利を中心課題にしていたが、近年はえん罪を生む風土を無くす取り組みを重視して、時代遅れの再審法の改正に取り組んでいる。裁判官によって再審への姿勢が違うことは、大きな問題(再審格差)でそれを無くすことが大切だと指摘した。日本の場合は証拠開示のルール(証拠開示に関する基準や手続きを定めた法令)が存在しないことが、大きな問題であると語った。昨年10月には徳島で人権擁護大会シンポジウムが開かれ(私も含め多くの大助の会会員も参加した)、再審法の改正について話し合われた。

 そして再審に関するルールの整備が必要として、4点を指摘した。

憲法の視点~無辜の救済(憲法13条、39条)、適正手続きの保障(憲法31条)

②再審請求人の主体的関与を可能にするための手続保障

③裁判所の公正かつ適正な判断を制度的に担保する仕組み

④「疑わしい時は被告人の利益に」原則の徹底

 また、日弁連や市民団体の活動(実際にえん罪被害にあった桜井さん・青木さん・西山さん、周防映画監督など)報道機関への働きかけなど、再審法改正に向けた取り組みについて強調された。私たちえん罪事件にかかわっている団体も、もっと再審法改正に向けた取り組みを重視しなければ感じさせられた。

 しかし、とても寒かった大会であった。

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 私のあいさつは以下のとおり。 

 日頃は、日本国民救援会徳島県本部の皆さんには大変お世話になっています。救援会は国民の人権、権利を守るうえで、なくてはならない存在です。仙台北陵クリニック事件の守大助さんを支援する徳島の会のわたくしたちも、救援会には大変ご援助をいただいており、感謝申し上げます。

 コロナウイルスの世界的蔓延は、私たちの生活に大変大きな影響を与えています。コロナウイルスのため多くの労働者が解雇され賃金・労働条件が切り下げられて、生活の糧を失っています。また、零細、中小企業はまともにコロナウイルスの影響を受け、仕事が少なくなったり打ち切られたりしています。国の援助が行き届かないためにまことに大変な状況に追い込まれています。

 こういった中で国民救援会の果たす役割はますます重要になってきており、弱者・被圧迫者からの期待も日々に高まっています。

 私たち守大助さんを支援する徳島の会は、今年2月29日に第15回総会を開催して、再審開始要請の署名、会員数540名、機関紙の年4回発行、大助さんとの面会、事件の学習などを決めて活動しています。また総会では袴田事件を長年支援し続けてきた、救援する会の山崎俊樹さんにご講演いただき、いかに身近なところから支援していくことの大事さが話されました。2001年1月にえん罪事件で大助さんが逮捕・服役させられて20年近くになります。昨年11月最高裁で再審請求が棄却され、現在第2次再審に向けて準備中です。一日でも早くえん罪を明らかにして彼をご両親の元に返すことが、全国各地の大助さんを支援する会の願いです。私たちの活動の詳細については、本日の議案書にも書かれていますのでご覧ください。

 救援会の会員の皆さんには今日の袋にも入っている資料も見ていただいて、まだ徳島の会にご加入されていない方には徳島の会へのご加入を、ぜひお願いします。

 毎年、大助さんのことでは挨拶させていただいていますが、どうかよろしくお願いいたします。

 採択された決議は以下のとおり。

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●仙台北陵クリニックえん罪事件の守大助さんをご支援ください!

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良寛歌集(東洋文庫556 平凡社

786 明日あらば今日もやかくと思ふらむ昨日の暮ぞ昔なりける

787 今日の日をいかに消(け)たなむうつせみのうき世の人のいたまくもをし

788 なよたけのはしたなる身はなほざりにいざ暮らさましひと日ひと日に

789 ゆくりなくひと日ひと日を送りつつ六十路(むそぢ)あまりになりにけらしも

790 思へ君こころなぐさむ月花も積れば人の老となるもの