あわ9条の会、きょうされん徳島支部総会、「神に守られた島」(中脇初枝 講談社)、一色次郎

 今朝は、あわ9条の会の恒例の宣伝行動があったので、連れ合いと参加した。今日の参加者は6名だった。暑い日差しだった。
 昨日(11日)はきょうされん徳島支部の第14回総会が徳島市内であったので、参加した。午前中の総会では、きょうされん本部議案書、徳島支部の活動報告、2019年度活動方針案、決算案・予算案、新役員の選出など、すべての議案が提案通り採択された。
 午後は、きょうされん本部常任理事の後藤強さんによる、障碍者をめぐる情勢学習があった。優生保護法被害と裁判提訴、国による障碍者雇用偽装、障碍者福祉サービス報酬、などなど、障碍者をめぐるきびしい情勢について話がされた。

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 情勢学習の後、「笑いヨガ」の講習があった。口と目をを大きく開け、思いっきり体を動かしながら笑う。汗をかいた。体中からストレスが吹っ飛んでいったようだった。参加者の皆さん、満足した笑いヨガであった。各事業所でも、朝礼の時にこれをしたら、一日が楽しく送れるのではないかと思った。
 「神に守られた島」(中脇初枝講談社)を読んだ。

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 「えらぶ」(鹿児島県の沖永良部島のこと)の戦争末期・戦後すぐのことを、小学生の目を通して 描かれている。著者は徳島生まれで、「えらぶ」に興味をもったきっかけは分からないが、暖かい目で書いている。空爆や艦砲射撃に見舞われ生活が破壊され、人間関係も破壊されていくなかで、地域のきずなを大切にして生きている住民の姿は、私の両親が「えらぶ」出身だけに、とても身近に感じられた。
 私が初めてえらぶに行ったのは、小学5年の時。もう60数年前になる。東京に住んでいたのだが、えらぶから従姉が大学に進学するため東京の我が家に世話になっていた。その彼女が夏休みにえらぶに帰省するときに、どういうわけか知らないが親が双子の姉と私を一緒に連れて行かせたのだ。戦後10年余りしかたっていないので、小説に書かれた情景がまだ残っていた。祖父の畑には洞窟があり、米軍の攻撃があった場合はこの洞窟に避難したという。赤土の畑は作物があまり実らない。サンゴが隆起した島なので道路は白っぽい。えらぶではおじ・おばが大歓迎してくれた。理解できない言葉で話されてでとまどったが、暖かさはしっかり伝わってきた。
 この本でも少しえらぶの言葉で書かれている。その言葉がえらぶの風情をよく伝えている。
 「ナカヌヤ-」:中の家、「シマ」:集落、「シモヌヤ-」:下の家、「あべ-」:しまった、「うむ」:芋、「ヒャ-ギ」:ざる、「うちゅくい」:頭にかぶる布、「あちゃ」:おとうさん、「ミジガミ」:水甕、「ミ-」:兄さん、「あや」:姉さん、「ヤラブケ-」:蘇鉄の実の粥、「フリムン」:ばか、「ホ-」水汲み場、「メーヌ」:前の、「イョー」:洞窟、「トゥール」:風葬、などなど。
 アメリカによる攻撃があった時、家の屋根の茅を抜いて、骨組みだけにした。そして、「イョー」や「トゥール」墓に疎開している。「役場も診療所も疎開した。学校では御真影が真っ先にイョーに運ばれた」。人々の安全よりも天皇の写真が最重要な本末転倒した時代だった。
 えらぶについては沖永良部島生まれの一色次郎(1916.5~1988.5)が「青幻記」(太宰治賞受賞 角川文庫 これは映画になった)、「父よ、あなたは無実だった」(朝日新聞社)などに書いている。我が家にあるのは、この2冊と「左手の日記」(旺文社文庫)、「小魚の心」(家の光協会)、「東京空襲」(河出書房新社)、「愛の風土と人生」(日本文芸社)。1974年に早乙女勝元と編纂した『東京大空襲』で菊池寛賞を受賞している。一色にとって戦争について書くことは一生涯の事業であった。

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良寛詩集(東洋文庫556 平凡社

188 山住のあはれを誰に語らましあかざ籠に入れかへるゆふぐれ

189 思ほえずおくれ先きだつ世の中をなげきや果てむ春は経ぬとも

190 あしひきの山べに住めばすべをなみしきみ摘みつつこの日暮らしつ

191 あしひきの山の樒(しきみ)や恋ひくらしわれも昔の思ほゆるらむ

192 円居(まろゐ)していざ明してむあずさゆみ春はこよひを限りと思へば